トリプルメディアだけでは足りない?Webメディアの進化系「PESOモデル」で勝ち組サイトに進化させよう
この記事からわかること
- PESOモデルとトリプルメディアの違い
- PESOモデルの各メディアの特徴
- PESOモデルの活用方法と取り組みのステップ
メディアと聞いて何を思い浮かべますか?
40代以上ならテレビ、30代以下ならYouTubeといったところでしょうか?
これらはもちろんメディアですし、新聞や雑誌、ラジオもメディアとして長い間、情報提供の主役でした。
しかし、近年のインターネットの発達を含めたデジタル革命によって、Youtuberやインスタグラマーと呼ばれる個人がメディアとしての価値を持つ存在が出現してきました。
そんな多様化するメディアにおいて、海外のマーケティングでは、これまでの「トリプルメディア」という考え方から「PESOモデル」と呼ばれるWebマーケティング戦略が注目されています
この記事では、そんなWebマーケティング戦略である「PESOモデル」について解説していきたいと思います。
目次
トリプルメディアとは
「PESOモデル」の前に、まずは、「トリプルメディア」について見ていきましょう。
トリプルメディアとは、メディアの特性によって「Paid Media(ペイドメディア)」「Earned Media(アーンドメディア)」「Owned Media(オウンドメディア)」の3つに分類したものです。
「Paid Media(ペイドメディア)」は、その名のとおり、お金を払って宣伝・集客をする媒体としてのメディア、「Earned Media(アーンドメディア)」は口コミサイトなどに代表される消費者同士がコミュニケーションによって評価を得るメディア、「Owned Media(オウンドメディア)」は自社で運営しているメディアです。
それぞれの特徴について、もう少し詳しくみてみましょう。
Paid Media(ペイドメディア)は広告媒体として利用されるメディア
Paid、つまりお金を払うメディアですが、お金を払って広告を出して集客を得るためのメディアです。
代表的なものとしては、テレビのCMです。
他にも新聞広告やGoogle広告、Yahoo!プロモーション広告などがあり、より多くの人に広告を届けることができるのが特長です。
テレビや新聞は不特定多数のたくさんの人に届けることができるものの、広告費は高額で、興味関心の高いターゲットに絞った広告を出すことができないため、小さな企業がこれらの広告を出すのは難しいといえます。
一方で、Google広告やYahoo!プロモーション広告は、ターゲットを絞って効率のよい広告を出すことが可能なうえ、広告費用も抑えることができるため、小さな企業もコストパフォーマンスの高い広告を利用することが可能です。
Earned Media(アーンドメディア)は自社のブランディング・PRのためのメディア
Earned、つまり獲得する、稼ぐという意味ですが、評判や信頼を得るためのメディアとして分類されています。
ブログやソーシャルメディア(SNS)によって、商品の利用者が発信をおこなうメディアで、実際の利用者の発信であるため、評判や信用を獲得するという意味合いが込められています。
数年前には、ステマ(ステルスマーケティング)として問題になった芸能人がお金をもらって、ブログで商品を紹介していたことも、アーンドメディアに分類されますが、基本的には、お金を介さないため、企業が評判をコントロールすることは難しいメディアといえます。
Owned Media(オウンドメディア)は自社運営のメディア
Owned、つまり自分の(所有している)メディアのこと。
自社で作っているサイトであるため、自社の戦略を最も活かすことのできるメディアです。
自社サイトをはじめ、商品ごとのサイトや直販サイト、情報提供のための社員ブログなどもオウンドメディアに分類されます。
唯一、すべてをコントロール可能なメディアであり、オウンドメディア運営に力を入れることで、他のメディアとの相乗効果を得ることができます。
これら3つのメディアの特長を抑えながら、効果的に連携させることで自社のブランディングや商品の認知向上に役立てることがトリプルメディアを活用した基本的な考え方といえます。
PESOモデルとはトリプルメディア+「シェアドメディア」
これまでに紹介したトリプルメディアのうち、「Earned Media(アーンドメディア)」からSNSの要素を持った「Shared Media(シェアドメディア)」を抜き出して、4つのメディアを活用し、メディア戦略の最適化を目指すのが「PESOモデル」の特徴です。
Shared Media(シェアドメディア)
Shared、その名のとおり、シェアー(共有)するメディア、つまりソーシャルメディアです。
具体的にはFacebookやTwitter、Instagram、YouTubeやLINE@などで、自社でアカウントを作成して、集客に活用することが可能なので、オウンドメディア同様に、自社でコントロール可能です。
即時性が高く、より短時間で多くの人に拡散できるため、非常に有効なメディアである一方、悪い情報も一気に拡散されるため、運用方法によってはリスクをはらんだ諸刃の剣となる可能性も持ち合わせています。
一方で、FacebookやTwitterなどはターゲットを絞った広告を出せるため、ペイドメディアしての利用も効果的です。
また、TwitterやInstagramでたくさんのフォロワーを持つインフルエンサーを活用することもシェアドメディア活用の一つですが、すでに紹介したステマとして捉えられる可能性があるので注意が必要です。
とはいえ、インフルエンサーを活用したインフルエンサーマーケティングはすでにマーケティング戦略の一つとなっているので、PESOモデル戦略を考えるうえで、重要なポジションを担っていることはまちがいありません。
PESOモデルを活用には
PESOモデルはすべてのメディアが連携して成り立っていることが多いため、一つのメディアだけを取り出して活用するのではなく、メディア戦略の段階によって活用するメディアをうまく組み合わせることで、成果を伸ばすことが可能です。
PESOモデルを活用するための一般的なステップについて見ていきましょう。
オウンドメディアの構築
まずは他のすべてのメディアの受け皿となるオウンドメディアを構築が必要になります。
通常の会社サイトと異なり、他の3つのメディアの施策を活かせるような設計をすることが重要です。
まずはサイトの認知度をUP ペイドメディアで広告を出す
構築したオウンドメディアに集客するために、短期的な効果が出やすいペイドメディアの活用が次のステップになります。
広告等を出すことで認知度を高めていく段階です。
アーンドメディアで信頼を稼ぐ
より認知度を高め、信頼を獲得するために、アーンドメディアでのアプローチの段階になります。
コントロールしづらいメディアのため、活用方法を間違うと評判を落としてしまう可能性があります。
事前に情報発信のルールなどを整備し、思わぬ炎上等を防ぐようにしましょう。
シェアドメディアでより多くの人にアプローチ
自社のソーシャルメディア(これもある意味オウンドメディア)に訪れた人がそのページや紹介されている商品をシェアすることで、より多くの人にアプローチでき、事業拡大につながります。
インフルエンサーを活用するのは、この段階になります。
以上のような4段階のステップが、PESOモデルの取り組みの基本となります。
PR効果を出していくには、それぞれのメディアの結果を元に、見直しを何度も繰り返すことが重要になります。
PESOモデルをうまく活用するには権限の集約化が重要
PESOモデルを活用するためには、4つのメディアを段階に応じてうまく組み合わせながら臨機応変に活用することが重要です。
そのため、広告やPR、自社メディア運営等の業務が事業部や担当でばらばらになっている場合は、PESOモデルに関わる意思決定の権限がどこにあるのか明確にする、あるいは各担当部署等から人を集めたタスクフォースを作るといったことが必要になるでしょう。
まとめ
PESOモデルについて、各メディアごとの戦略や施策パターンは非常に多くあります。
そのため、今回は基礎知識からその活用方法までを大まかにですが紹介してきました。
メディアを活用したマーケティング戦略は、これまでも重要な位置付けでしたが、最も変化してきているのは、テレビや新聞、ラジオを使ったメディア戦略からFacebookやTwitter、LINE@などのソーシャルメディアを活用した複合型のメディア戦略に移行してきているということです。
電通の調査によると、2018年のインターネット広告費は1兆7589億円となり、地上波テレビ広告費の1兆7848億円に迫っていて、2019年にはインターネット広告費がテレビの広告費を超えると考えられています。
これからのメディア戦略は、PESOモデルのような広告やブランディング、PRやクチコミなどを組み合わせた複合型メディアによるWebマーケティングがメインとなります。
PESOモデルを効果的に活用できるよう、今からしっかりと学んでおきましょう!